自分で脈を測ってみよう!心臓のドキドキのふしぎを探検!
はじめに:体のリズム「ドキドキ」の正体を探ろう!
皆さんは、自分の心臓が「ドキドキ」と音を立てて動いているのを感じたことがありますか?走ったり飛び跳ねたりすると、そのドキドキが速くなるのを感じられるかもしれません。この心臓のドキドキは、私たちが生きているためにとても大切な働きをしています。
今回は、その心臓の動きを、自分の「脈」を測るという簡単なアクティビティを通して探検してみましょう。脈を測ることで、心臓が休まず働いていることや、全身に血液を送る仕組みのふしぎを体験的に学ぶことができます。
アクティビティ:自分の脈を見つけよう、数えてみよう!
このアクティビティでは、自分の体のどこかで感じられる「脈」を見つけ、その速さを測ってみます。特別な道具はほとんど必要なく、いつでもどこでもできる、体を使った身近な探検です。
アクティビティの目的
- 自分の体の中に脈があることに気づき、その場所を知る。
- 脈拍が心臓の動きと関連していることを理解する。
- 心臓が休まず血液を全身に送っていることを体験的に学ぶ。
- 安静時と運動時など、体の状態によって脈拍の速さが変わることを観察する。
対象となる学年目安
小学校低学年~中学年
準備物
- 時計(秒針があるもの、またはデジタル表示で秒がわかるもの)
- (必要であれば)ストップウォッチ
- (記録用)鉛筆、紙、またはノート
活動の手順
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脈を探す場所を知ろう:
- 自分の手首の内側を見てみましょう。親指側で、手首の付け根より少しひじに近いあたりです。
- 人差し指と中指の腹を、軽くその場所に当ててみましょう。力を入れすぎず、そっと皮膚に触れるようにします。
- 指を少しずらしながら、指の下で「トントン」とか「ドクドク」と感じられるものがないか探してみましょう。これがあなたの「脈」です。見つけにくい場合は、少しだけ強く押してみたり、場所を変えてみたりしてください。
- 手首の他にも、首筋のエラの少し下あたりでも脈を感じることができます。こちらも優しく指を当てて探してみましょう。(首筋はデリケートなので、優しく触れるように注意してください。)
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脈拍を数えてみよう(安静時):
- 脈を見つけられたら、時計を見ながら、脈が「トントン」と打つ回数を数えてみます。
- まずは、椅子に座ったり寝転がったりして、体をリラックスさせた状態で測ってみましょう。
- 秒針を見ながら、30秒間に脈が何回打つか数えて紙に記録します。
- 慣れてきたら、1分間(60秒間)で数えてみましょう。30秒で数えた場合は、その数を2倍にすると、1分間の脈拍数になります。これが、安静時のあなたの脈拍数です。
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体を動かして脈拍の変化を見てみよう:
- 次に、体を少し動かしてみましょう。例えば、その場で足踏みを30秒ほどしたり、軽いジャンプを10回ほどしたりします。
- 体を動かした直後に、もう一度手首や首筋の脈を探し、30秒間の脈拍数を数えて記録します。
- 安静時と運動後で、脈拍の速さはどう変わったでしょうか?記録を見比べて確認してみましょう。
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(発展)色々な状態で測ってみよう:
- 少し時間をおいて体が落ち着いたら、もう一度安静時の脈拍を測ってみましょう。
- 次は、本を読んだり、静かに音楽を聴いたりしながら測ってみましょう。
- ドキドキするような場面(少し怖いテレビを見た後など)ではどうなるかな?(必ず安全な状況で行ってください)
- 様々な状況で脈拍を測り、記録して比べてみるのも面白いでしょう。
活動のポイント
- 脈が見つけにくい場合: 先生や保護者の方が、お子さんの手首に優しく指を当てて、「ここで感じられるかな?」と場所を教えてあげると良いでしょう。見つけやすい場所は個人差があります。
- 数え方の練習: 初めは数を数えるのが難しいかもしれません。「いーち、にーい、さーん…」と声に出したり、指で数えたりする練習をすると良いでしょう。
- 心臓とのつながりを意識: 脈拍を数えている時に、「このトントンは、心臓が血液を送り出しているリズムだよ」「心臓は今、こんな速さで動いているんだね」などと声かけをすると、学びが深まります。
- 運動後の変化に注目: なぜ運動すると脈が速くなるのだろう?と考えさせる問いかけをしてみましょう。(体にたくさんの酸素や栄養を運ぶために、心臓が頑張ってたくさん血液を送ろうとしているから、といった説明に繋げられます。)
安全上の注意点
- 首筋の脈を測る際は、絶対に強く押さないでください。優しく触れるだけで十分です。強く押すと気分が悪くなることがあります。
- 過度な運動は行わないでください。軽い足踏みやジャンプなど、無理のない範囲で行いましょう。
- 体調が悪い時は無理に行わないでください。
- 小さいお子さんが行う場合は、必ず大人の方がそばで見守り、サポートしてください。
期待される教育効果
このアクティビティを通して、子供たちは自分の体の不思議、特に心臓の働きや血液が全身を巡っていることを身近に感じることができます。
- 体の機能への気づき: 自分の中に脈というリズムがあること、そしてそれが生きている証であることを実感できます。
- 心臓の働きの理解: 脈拍を測るという体験を通して、心臓がポンプのように血液を全身に送り出す大切な役割を担っていることを理解する手助けとなります。
- 体の状態と機能の変化: 安静時と運動後で脈拍が変わることを観察し、「体が必要とするもの(酸素など)が変わると、心臓の働きも変わるんだ」という体の調節機能の基礎的な理解に繋がります。
- 科学的な探求心: 「どうして脈があるんだろう?」「どうして運動すると速くなるんだろう?」といった疑問を持ち、体の仕組みについてもっと知りたいという探求心が育まれる可能性があります。
応用例や発展的な活動
- 他の人の脈を測ってみる: 家族や友達の協力を得て、お互いの脈を測り合ってみましょう。速さに違いがあるか比べてみるのも面白いです。(必ず同意を得て、優しく触れるように注意してください。)
- 動物の脈について調べる: 人間以外の動物にも脈はあるのかな?犬や猫、鳥などの心臓の速さは人間と比べてどう違うのかな?図鑑やインターネットで調べてみましょう。
- 心臓や血管の模型を作ってみる: ペットボトルやチューブなどを使って、心臓が血液を送り出すポンプの仕組みを簡単な模型で再現してみる活動に繋げることもできます。
まとめ:体の中の頑張り屋さん、心臓に感謝!
自分の手で脈を感じ、その速さを数えてみるというシンプルな活動でしたが、体の中で心臓が休むことなく頑張って血液を送り続けてくれていることを実感できたのではないでしょうか。
心臓のドキドキ、そして血管を通る脈は、私たちが元気に活動するために欠かせない大切な体のリズムです。この探検を通して、自分の体への興味や、生命の不思議への関心が高まることを願っています。
ぜひ、学校の授業やご家庭で、お子さんと一緒に「からだ探検隊」になって、自分の体のふしぎをたくさん見つけてみてください。