親子でからだ探検隊

定規で測る脳とからだの速さのふしぎ

Tags: 反応速度, 神経, 脳, 体験学習, 小学生, アクティビティ, 視覚, 運動

「わっ!」と声を聞いてパッと振り返ったり、飛んできたボールを素早くよけたり。私たちの体は、周りの出来事に対して瞬時に反応しています。この反応には、目や耳などの感覚器官、脳、そして筋肉が協力して働いています。

今回は、身近な定規を使った簡単な実験を通して、目で見た情報が脳に伝わり、体が動くまでの「速さ」、つまり反応速度のふしぎを探検するアクティビティをご紹介します。この活動を通して、情報が体の中をどのように伝わっているのか、そしてその速さについて体験的に学ぶことができます。

アクティビティの目的

この活動の目的は、以下の点を体験的に学ぶことです。

対象となる学年目安

小学校中学年~高学年

基本的な手順の理解と、定規の目盛りを正確に読むことができれば取り組めます。

準備物

活動の手順

このアクティビティは、2人1組で行います。1人が定規を持つ係、もう1人が定規をつかむ係になります。役割を交代しながら行いましょう。

  1. ペアを作る: 2人1組になります。役割(定規を持つ人 Aさん、つかむ人 Bさん)を決めます。
  2. 構える: Bさんは、利き手の親指と人差し指を少し開けて構えます。机の端などに肘をついて固定すると安定しやすいです。
  3. 定規をセットする: Aさんは定規の端(目盛りが大きい方)を持ち、定規の0cmの目盛りがBさんの開いた指のちょうど間、または少し上にくるように垂らします。Bさんは定規に触れないように注意しましょう。
  4. 合図なしに落とす: Aさんは、「落とすよ」などの合図をせず、Bさんが「準備OK」のサインをしてから数秒おいて、不意に定規を落とします。いつ落とすか分からないようにするのがポイントです。
  5. 素早くつかむ: Bさんは、定規が落ち始めたのを見たら、できるだけ早く指で定規をつかみます。
  6. 目盛りを読む: Bさんが定規をつかんだ位置の目盛りを読みます。これが定規が「落ちた距離」です。この距離が長いほど、反応が遅かったことになります。
  7. 記録する: 落ちた距離を記録用紙に記録します。
  8. 繰り返す: 同じ手順で、少なくとも3〜5回繰り返します。
  9. 役割を交代する: AさんとBさんの役割を交代し、同じように測定します。
  10. 結果をまとめる: 記録した距離を見比べて、一番速かった時、一番遅かった時、平均などを計算してみましょう。

活動のポイント

安全上の注意点

期待される教育効果

このアクティビティを通して、子供たちは「目で見た情報が脳に伝わり、脳から指令が出て体が動く」という一連の情報の流れと、それに時間がかかることを体感します。

応用例や発展的な活動

定規一つでできるこのシンプルなアクティビティは、私たちの体が外界の刺激にどう反応しているのか、そして脳と体の連携がいかに素晴らしいかを体験的に学ぶ良い機会となります。ぜひ、ご家庭や学校で試してみてください。